ZAZEN BOYSIII


 なかなかセールスは伸びませんでしたね〜…。残念。タワーレコード渋谷店チャートで初登場2位でしたが、オリコンで13位、JAPAN COUNTDOWNの本チャート10位、外資系で3位。う〜ん。いまいちパッとしない。JAPAN COUNTDOWNの10位ってのも怪しいです。PICK UP!で取り上げたいだけで10位にギリギリランキングしてんじゃないかって感じではあります。やはり渋谷陽一の言うように「売れない!」が現実味を帯びています。非常に悔しい状況です。くるりくらいはアルバム買って聞く人が増えてくれることを祈ります。

 ではⅢをしっかり聞いて、いつもの通り思ったことをダラダラと書いていこうかと思います。ココまで遅れたのは、しっかり聞いたからです!ってのは少しは言い訳ですが。あと、買ってから1週間は聞いていなかった!これも言い訳です。

 やはり一番印象的なのは、ドラムス松下敦のビートだ。彼はビーターだと感心してしまいました。アヒトとは全くタイプの違うドラマーですね。今さらこんなことをわざわざ言う必要もないんでしょうが、ココが一番今までのザゼンとは全く違う点です。アヒトはアグレッシブなドラムプレイで音の輪郭を美しくしたり、狂った感じにしたりするのが抜群なドラムでしたが、敦さんは音の芯をいくと言うか、とにかく重いビートを曲中にドシッと構えて、ずっーとそれが鳴っている感じがどの曲も気持ちが良いです。今作は今のところこのビートをしか聞いていないので、ひなっちカシオマンの音はまだあんまり聞いていません。これからね、いろいろな聞き方を試していきたいと思いますよ。

 このアルバムで一番好きな曲は“Don't Beat”です。すでにこの曲は最近の僕の歩いているときのテーマソングになっています。“Don't stop the beat〜”ってな感じで、ご機嫌な感じで口ずさんでいます。今までザゼンや向井の鳴らす音はロックミュージックだと思っていたが、どうやら違うみたいです。向井は音楽に関しては雑食だと思いました。このアルバムは非常にR&B色が強いと思う。(それが一番現れているのが、敦さんのドラムだと思います。)R&Bを演(や)る、ロックバンドというのが今のザゼンなのかな〜って思います。このR&B的要素がこのアルバム全体に漂っているエロティックな感じの原因だろうとも考えられます。(←安易な解析ですが許してください)もしくはこれはjazzなのかなとも、思います。1曲目(“SUGER MAN”)からいきなり飛び出てくるジョン・コルトレーンの名前。今作はjazzなのか?詳しい人教えてください。このjazz的要素がこのアルバム全体に漂っているエロティックな感じの原因だろうとも考えられます。(←安易な解析ですが許してください)

 今作に2曲入っているインストの曲の使い方が絶妙ですね。前半に入っている“Pink Heart”は、前の曲でちょっとスローダウンしつつも鋭い世界観はずっしりとある“Tombo Game”と、このアルバムの中で一番クセの強い“RIFF MAN”を見事につないでいます。そして、後半の“Lemon Heart”。この曲すごく良い!前の曲の“Don't Beat”のビートを残しつつ、この曲で良い感じに壊れて、そして次の“Water Front”に繋がる感じが物凄っく好きです。いや〜良い。この曲があることで“Water Front”のよさが際立つし、その前の“Don't Beat”も良い印象のまま次につなぐ。そいで“METAL FICTION”も良いし、“This is NORANEKO”“RIFF MAN”良い曲が後ろに繋がっていきます。

 今作、僕は名盤だと思います。言い切ります。どの曲も粒ぞろいで、捨て曲なし。そしてアルバム全体の構成も良い。こういうアルバムを名盤って言うんでしょ?そうじゃない?

 やや逆切れしていますが、僕はこう思う。いろんな雑誌やblog等で、賛否両論ですし、向井自身も本当に良いのかに迷っているようにも見えますが。進化の速度が速すぎるとか、せっかく良いメロディーが出来そうな要素がある曲でもそれを捨てているとか言われますが、そこが今のザゼンの良いところだと思う。惹かれる理由だと思う。この感じがたまりません。それが成長しているってことじゃないんでしょうか?大人になっていくってことじゃないでしょうか?

ZAZEN BOYSIII

ZAZEN BOYSIII