GAME


 待ちに待った、Perfumeのアルバム『GAME』がリリースされました。うん、待った人には本当に悲願だったろうね。9年目にして、やっと完成です。これまでよく頑張ったね、3人。心からおめでとうを言いたいです。

GAME(DVD付) 【初回限定盤】

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 帰りの電車で一度ザッと聞いてみました。捨て曲一切なしって感じ。どの曲にもアイドルポップスとしては考えないくらいの、テクニックと言いますか、力の入りよう。本当に中田、頑張ったね!本当にテキトーな作品にならなくて、本当によかったよ。

 あんまりするつもりはなかったけど、全曲良かったので全曲レビューをしていきます。って言っても一言感想言っていくだけだけどね。

 1.ポリリズム、すべてはこの曲で完成してしまったのかもしれない。アイドルなのにレアグルーブを題にして歌うという、破天荒すぎる、他のどのアーティストよりも一歩、いや二歩も三歩も前を行ってしまった存在、それがPerfumeなんだと思う。それを世の中に知らしめた1曲、泣ける。
 2.Plastic Smile、オリジナルアルバムを作る上で、Perfumeのフォーマットなるものの完成というものが求められたと思う。2曲目にしてその真骨頂登場。これから地上戦と言いますか、ヒットチャートにおいてPerfumeがいかに存在していくのかってのを決定付けることができた、指針となる一曲。これはすごい。
 3.GAME、この曲はトラックがイイってことに限る。この最高到達点の高さは、たぶんなかなか敵(かな)うものが無い。ビートがめっさイイです。何だろうね、どっかで聞いたことがあるような気がするんだよね。元ネタを探したいです。今、パッと思い浮かべたのがrinôçérôseの“Cubicle”。でもまだちょっと違うよね〜。探したい。
 4.Baby crusing Love、前の鋭角チューンからポップソングへというギャップがありまくりかなと思ったけど、やっぱりこの曲もすごく音が厚い。だから全然違和感無い。シングルってよりも、このアルバムの為に持ってきたんじゃないかってぐらい、ガッツリハマってます。
 5.チョコレイトディスコ、やっぱりこの曲は存在感ありますよね。もはや書くこと無い、大好きです。
 6.マカロニ、全体的にテンポも抑えてきてアルバムの中で必要なピースであることは間違いない一曲。
 7.セラミックガール、アルバム後半戦開始。ここに来てIt's brave new worldって言うのはどうなんか?と思うんやけど、やっぱり上を向いていくっていうのがPerfumeの基本姿勢ですから。曲としては今の中田の得意とするところが凝縮された、余裕の一曲。今一番自信を持ってるんじゃないかな?こんな感じ。
 8.Take me Take me、なんかコルテモニカをPerfumeでやっちゃったって感じの曲になってますね。おもしろいね、これは。5分尺でこれをやられたら、しばらく聞いてしまいそう。3人のコーラスアンサンブルがおもしろいことになってますね。これは今までなかった。のっちの声がこんなに突き抜けるってのには、驚いた。
 9.シークレットシークレット、この曲も中田お得意って感じ。セラガよりこっちの方が個人的には好きかな。シングルカット希望!
 10.Butterfly、美しいPerfume。これには驚いた。あっ、いけるって思った。3人の声のエフェクトによる厚み。Perfumeというフォーマットの深さを見せ付ける、ビックリです。
 11.Twinkle Snow Powdery Snow、ここ2・3日この曲ばっかり聞いてた、いいんだよね〜TSPS。なんやろう正直セラガとかシークレ×2とかのスタイルに飽きたのよ、僕的には。ちょっと凝り過ぎっていいますか。それに比べてこの曲はシンプルなハウスビートに歌謡曲をのっせただけのタダタダ良いって曲だから、好き。単純に盛り上がることができる曲っていうのが好き。最近の個人的ヒットチューン!
 12.Puppy Love、ベース音の弦的な音が入っててアルバムの中ではアレンジは面白い!と思った一曲。でも、なんたって歌詞「絶対的な信頼と、対照的な行動、絶望的な運命が、ある日恋に変わる。一方的な表現の、ツンデレーション、君が好き、わかりにくいね。」わかりにくいねで締めるところが憎い。でも目指すところっていうのはそういうところじゃないかな〜って思ってしまう。わけのわからん表現方法である、Perfumeという存在をなぜこんなに好きなんだろう?っていう、なんかそんな感じってのを的確に表現されてしまったっていう、突かれてしまった感が残る。やれれた感がすごくあるんけど、心地よく終わっていくのが、う〜んなんとも言えんですね。たしかに「ばらの花」だ。答えが見つからないような気がして、また頭から再生をしてしまう。う〜ん、術中にはまった。

 とにかく全曲突き抜けてる。今のPerfumeって存在が無敵であるように、このアルバムも無敵な曲たちが集まった。なによりも中田のスキルってのが全部集約されたってことが、なによりも幸せである。確かに、Perfumeはずいぶん遅いオリジナルのファーストアルバムってことになったんだけど、これは中田がこれまでのCapsuleだとかCOLTEMONIKHAだとかはたまた外部ワークスだとか、そういう活動の成果ってのがすべてPerfumeにつぎ込まれたようにも思うことができる。全力を出し切った、中田、本当にお疲れさま。

 これまでの感想ってのがやっぱり2回聞いた感想でした。で、もう思っちゃったんだからしょうがないってことで、1回を聞きとおした感想ってのをバリッと書いておく。やっぱり作品はいい。ただ中田は本当にこれを作ってミュージシャンとして幸せだったんだろうかってことに疑問が起きる。僕的にはもっと新しい音のアプローチかなんかをそろそろ入れてくるんじゃないかと思ったりしたんだけど、それが全くの皆無だった。いわば、これまでの中田のスキルをつぎ込んだだけで、全く新たな要素ってのが無いってアルバムだったということを思ってしまった。僕は、やっぱり新しい音を手に入れたときの、あの無邪気に音楽を楽しむ感じってのをアーティストの人に常に持ち続けて欲しいって思ってて、それには今の中田にはないよね。だから、とにかくハードワークな中で、仕事にノイローゼになりながら、とにかく3人のアルバムを作っちゃったという風に、最初聞いたときに聞こえちゃって、ちょっと残念な気がしてた。あんまりワーカホリックなアルバムって嫌だからね。

 う〜ん、でもそれは考えすぎか。今回のアルバムはあくまで3人が主役。いかに3人が輝けるかってのが重要で、中田はその周りのお手伝いをしただけ。やっぱそういうことなんだろうね。3人の為に自分を全部つぎ込んだってアルバムなんだろうね。それに新しい音の要素だったら、夏にでも出るだろうCapsule本体のほうでやるよね。うん、きとそうだ。それに期待しよう。そっちが楽しみになってきた。