2008 BEST ALBUM TOP 11-20


 年間アルバムチャート、前半部分です。11位から20位と、次点として21位を7つほど発表します。

11. 「Colorful Life」Cajun Dance Party

カラフル・ライフ

カラフル・ライフ

 今年の機運を決定付けたのは、若干17・8歳のメンバーによる、このバンドでした。イギリスのハイクラス出身の彼らによる、クラシックやジャズといった純音楽の要素を含んだロックミュージックは、それまでの流れとは、全く違うバイブスを感じさせてくれました。

 純音楽思考てのは、くるり椎名林檎のような例もあるので、トレンドとしては正しいと思う。それに、もはやそういったところに頼っていかないと、正解は導き出せないような気がする。

 センスが良すぎるハイティーンなやつらの、第一歩となったアルバム。今後の作品も期待です。

12. 「キラキラ」曽我部恵一BAND

キラキラ!

キラキラ!

 曽我部さんやっぱり凄いわ。今年ライブを見た中で一番のシンガーだと思ったし、リリックメーカーだと思った。こんなに日常を生きている喜びを、噛み締めることが出来るソングを書くことができるのに尊敬する。やっぱり曽我部さんだからやってのけれるのだと思う。

 サウンドももちろん素晴らしい。骨太なロックサウンドなんだけど、もちろん新しい要素を詰め込んでいるだろうから、全くレトロなロックという風にも聴けなくて。今のロックをしっかり表してくれていると思う。

 素晴らしいです。本当にキラキラしてるよ、このアルバムは。

13. 「Teenager」フジファブリック

TEENAGER

TEENAGER

 やはりこのバンド、他とは一味違うものを確実に持っている。

 独自の世界観を、これまで着実に積み上げてきた印象がしていたが、今回はポップと言うか、最近の流行に安易に乗ってきたような曲が、目立つような作品となった。しかし、フジファブリックの軸はぶれない。流行のまんまという曲でも、全く自分達らしさという部分が消えない。むしろ奥が深くに存在する世界観を、より強く感じることができた作品になったと思います。

 やはり自力が凄いバンドは、違う。周辺の雑魚連中と、一段も二段も格が違うことを見せ付けた、「できる若い中間管理職の人」みたいなアルバム。

14. 「The Bedlam in Goliath」The Mars Volta

ゴリアテの混乱~デラックス・エディション(DVD付)

ゴリアテの混乱~デラックス・エディション(DVD付)

 !!!やFriendly Firesなど、ハードコア畑の出て素晴らしいダンスバンドというのが、ここ数年に多いのですが。そんな状況だからハードコアってどんな音楽なんだろう?、と興味を持ったのが事の始めです。簡単に触れることが出来そうかな〜?って思って飛びついたのが、マーズボルタとの出会いでした。結果的に、これは当たり。ハードコアいけるわ。凄く好きな感じ。今年の大きな収穫でした。

 どの部分が好きとかは、うまくまだ言い表せられないのですが。ただ好きとしか言えないのが悔やまれます。

 ハードコアいける。今まで私が聞いてきた音楽と似ているところがいっぱいあるよ。特に参照点が多いのは日本のインディとかだと思う。デートコースとかナツメンとか好んで聞いていて本当によかった。そして日本のインディはやっていることが凄いわ。そう思いました。

15. 「Heart Station宇多田ヒカル

HEART STATION

HEART STATION

 世紀のモンスターアルバムがお出ましした。最初から、日本に暮らしている人ならば、必ず知っている曲が、中盤まで、いや終盤まで続いていきます。結果的にタイアップが付いた曲がバシバシ並んでいて、その曲達がそれぞれシングル相当の力で制作されているので、モンスター曲が最初から最後まで豪華にアルバムの中に飾られます。しかも、それを書いているのが、天下のソングライターの宇多田ヒカルでしょ?それはすごいに決まっているじゃん。

 配信という方法が、音楽媒体としてさらに一般的になった、2008年。ベストアルバムがヒットを飛ばしたのは、1曲1曲で販売がされる環境になったから。ますます1曲の力というのが重要視される時代になってきました。アーティストとしてはタフな力が求められている時代になっているのだけれども(その分音楽の売り上げは落ちているのにね)、その中で女王様は、制作方法として他の誰にもできない王道な方法を用いて、セールス面においても最高のカタチでアルバムを出すことに成功しました。この先10年間、日本のポップアーティスト達には、このアルバムがお手本になると思います。

 内容としても、暗黒時代の宇多田から、前作で完全に脱却をとげて、とにかく充実の5枚目のアルバムでした。みんなが一番求めていた宇多田ヒカル像が、最高のカタチで実となりました。 

16. 「Hold On Now, Youngster...」Los Campesinos!

Hold on Now Youngster

Hold on Now Youngster

 2008年は、80年代末から90年代初頭のアメリカのサウンドの要素を含んだバンドが数多く出たと思います。ランキングに入れていない中では、Blood Red ShoesとかJohnny Foreignerとか(ジョニーフォーリナー、アルバム聞いても何も感じなかった。好みかな?って期待したんだけど。残念。)。引き合いに出されるものとしてpavementとうい名前もよく目にしました。そんなバンド郡の中で、一番好みだったのがこのグループでしたね。

 男女混合7人組による、ごちゃまぜドタバタソング。まるでおもちゃ箱をひっくり返したような、次から次へと飛び出てくるキラキラとしたサウンド達に、とても心躍らされました。特に男女のボーカルによる、まるでオペラのような掛け合いのポップソングが、とても素敵で好きでした。他にもバイオリンが入ってきたりするのが、本当におもしろかったです。

 アルバムのクライマックス中盤から終盤にかけての曲「You! Me! Dancing!」は、すごく切ない演奏から入るのだけれども、どうしても踊りだしてしまう曲に発展していって。どうしようもないくらい好きです。これが正しいカタチだと思うよ。こんなグループもっと出てくればいいのに。ファッションにも関係されないから。

17. 「ZAZEN BOYS4」ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYS4

ZAZEN BOYS4

 向井が同じバンドで4枚目を作るということに、どうしても拒否を示してしまいたいと思ってしまったり。また、もっとアーバンなサウンドを追求してもらいたいと思っていたから、アルバムを聞いてみて、若干求めているものと違った曲が多くて、かなり肩透かしを食らったり。デイブ・フリッドマン、プロデュースという嬉しい情報の元に制作されたものだけれども。

 とにかく4と私の位相差ってのに、開きがあった。今年一番の悲劇だったなぁ〜と思います。4を心に染みて聞くことができなかったのってのが。

 ただ、このアルバムは聞いてみて、どう考えてみても快作だとしか言えないし。後ろ2曲ってのが、本当に心地良かったです。The Drifting/ I don't wanna be with youってのは、本当に期待に答えてくれたよな〜ってしみじみ感じました。やっぱり向井はいいやつだった。

18. 「Oracular Spectacular」MGMT

 今年後半ぐらいからインディ界隈では、このキーワードが現れてきました、“サイケデリック”。この要素を用いて、一番に作品を作り上げてしまったのが、このMGMTなんでしょう。結果的に大ヒットを収めました。今年のインディでは勝利を収めたのが、このグループなんではないかと思います。

 1曲目から広がるのは、フワフワとトロトロしたまばゆい世界。「Time to pretend」の世界は素晴らしいですね。そして荒廃的な雰囲気もあり〜ので。最終的に残るものというのは何もないんだけど、心の底で少しの満足感だけが何か残ったようなのを、アルバムで感じ取れました。中盤の「Kids」も、ぜんぜんわかりやすい形のアゲ曲ではないですが、何か心に残るものがあるんですよね〜。それが何だかはわからないんだけど。その感情は大事にしたいと思います。

19. 「Sound Concierge JAPAN "Japanese Lyric Dance」Fantastic Plastic Machine

 うーん。やっぱりこんなディスク好きってのは、ポテンシャルが低いのかな〜?と自問自答してしまう。でも大好き。

 クラブミュージックに似合いそうな、最近の日本語のグッドトラックな曲を集めて、それをmix。あれはこれは出てくるわで、私にとってアルバムを通して楽しませてもらいました。ばり好みです。

 でも、もっとかっこよい曲を聴けというサインなんだろうな、こんな下世話な組み合わせじゃなくて。でも、このはみ出しもの達はどうしても愛してしまう。そんな私です。はい大好きです。こんなDJをしたいと思います。

20. 「Disco Baby」80_pan

DISCO BABY

DISCO BABY

 Aira Mitsukiなどが所属する、物好きなエレクトロアイドルソングを届ける、デートピアというレーベルから飛び出したこのユニット、80_pan。この作品は、自身のプロデューサーのTerukadoという人物と、イギリスのバンドSHITDISCO、The Pipettesの制作陣によって作られたミニアルバムです。

 このディスクほど、不運な結末をたどるものは無いかもしれない。アイドル好きからも、全くかわいらしさが見えない音圧の凄さから煙たがれる違いない。また、音楽好きからも、パフュームの後追い、アイドルなど興味がない、と思われているに違いない。また2人のお騒がせ行動ばかりに目が行ってしまいがちだ。正面からしっかり評価されることなんて決して無い、非常に不憫でならないディスクだ。

 しかし楽曲は、デートピア主催として乗りに乗っているTerukadoと、イギリスの若手にも関わらずセンスを引っ張っている存在である2つのバンドの、勢いがある素晴らしいトラックに、それに上手く反抗するボーカル力は見事。アイドルでありながらミュージックラバーを宣言するに値するほどの表現力の高さ、ポテンシャル、あと作詞もして、素晴らしい音楽がそこには広がっています。

 80_panが今後なるのは、PUFFY?、それともt.A.T.u?

 他の誰ににもわからない、私たち2人だけの冒険の世界が、このディスクには刻まれている。名盤。

21. 「QUEST」SPECIAL OTHERS

QUEST

QUEST

21. 「Dig out your soul」oasis

ディグ・アウト・ユア・ソウル(初回生産限定盤)(DVD付)

ディグ・アウト・ユア・ソウル(初回生産限定盤)(DVD付)

21. 「Donkey」CSS

ドンキー

ドンキー

21. 「Here We Stand」The Fratellis

ヒア・ウィ・スタンド~マリン・クライマックス・エディション(初回生産限定盤)(DVD付)

ヒア・ウィ・スタンド~マリン・クライマックス・エディション(初回生産限定盤)(DVD付)

21.「More!More!More!」capsule

MORE! MORE! MORE!(初回生産限定)(DVD付)

MORE! MORE! MORE!(初回生産限定)(DVD付)

21.「ROCK」Sexy-Synthesizer

ROCK-SPECIAL EDITION-

ROCK-SPECIAL EDITION-

21.「A Waking of Rhythm and Blues」The BAWDIES

Awaking of Rhythm And Blues

Awaking of Rhythm And Blues