2008 BEST ALBUM Out of Ranking


 ランクインしなかったアルバムでもうちょっと書きたいやつを、いくつかあげていきます。

「J-POP」「YELLO」電気グルーヴ

J-POP(初回生産限定盤)

J-POP(初回生産限定盤)

YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付)

YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付)

 電気グルーヴが7年振りにアルバムを、しかも2作も出してきました。とってもよかったと思います。あ〜、テクノの面白さって、こういうことなんだろうな〜っていう、私の中でお手本にしたいアルバムでした。なんか、ベースシンセの鈍い音の音色のあの感じとか、あとビートだとか。すごく勉強させてもらったし、ああこういうのも好きかな〜っと幅を広げさせてもらったアルバムでした。変態度もいい感じでしたね〜。

 お手本と思って聞いていたので、ランクインはなしで。順位がつけれませんでした。

「Fantasy Black Channel」Late of the Pier

ファンタジー・ブラック・チャンネル

ファンタジー・ブラック・チャンネル

 パッと聞いた印象は、とにかくゼロ世代っぽくって、若い活きが良いバンドが出てきたな〜って思いました。SPARTA LOCALSが出てきたあの感じに凄く似ている。スパルタファンには絶対オススメできるな〜。

 とにかく1曲1曲で、やろうとしていることが違いすぎて、それが最大のこのバンドの強みなんでしょう。急に民族音楽みたいな楽器が入ってきたり、途端に硬いビートになったり。曲ごとに色とりどりです。アイディアもすごくいっぱい入っていると思います。私の好みでは、80'sのニューウェイブサウンドがところどころに使われているところ。それっぽい音であったりソングになったら、とっても嬉しくなる。あ〜、自分こんなのが好みなんだろうな〜っていう風に、再度確認できました。

 ただ、あれなんよな〜。なんでこれが評価高くって、なんで今までのポリシックスが×(バツ)だったの?洋楽ファン、本当にありえんわ〜。こんなサウンド&アイディア&存在、10年前にとうにポリシックスがやってたわ。高評価なのはいいんだけど、置いてけぼりを食らった感満載のアルバム。

 それと次は何をやっていくつもりなの?あんまりフックアップをしちゃっても、きっついぞ〜、こんなのは。ニューエキセントリックと盛り上がった08年だったけど、こいつらの本当の勝負はこれから生き残るかがすごくしんどいと思う。2・3年後は悪夢??まさか。

「Beat Pyramid」These New Puritans

ビート・ピラミッド

ビート・ピラミッド

 Late of the Pierと並んで奇怪度高いバンド。ピーヤー、よりも痛い人は5割り増しのこのバンドです。

 1曲目から、「あんたの好きな数字は?その意味は? 」「"1"は・・・という意味で・・・」みたいな。すんげえ痛いヤツがやっているバンドです。独特すぎる、いやそれ以上にフロントマンの彼にしかわからない世界。自分しかわからない世界を表現しきっているし、サウンドもとにかく強い。奇妙なビートが非常にしっかりしてて、すごく音楽性も高いバンドだと思いますね〜。

 やっぱりこんなヤツがどんどん音楽作っているべきだね〜。他との交わるということの難しさを、しっかり表現できるバンドが、やっぱり素晴らしい。非常に芸術的で素晴らしいバンドだ。

 しかし、08年の私のモードとは、全く逆のベクトル。もっと“痛い”ものよりも、“幸せ”なものを捜し求めました。他人と分かち合えないことを叫ぶっって・・・、それよりも他人にコネクトをしてみるっていう、その劇を見たいな〜って思っていましたね。“痛さ”を伴っても、たぶんもう良いこと無いよ。そう信じた1年でした。

「Cutie MANIA」Cutie Pai

Cutie MANIA

Cutie MANIA

 These New Puritansと、同じ感情を持ったのがこのアルバムでした。

 Cutie Paiの音楽性凄すぎ。聞いていて、これってもしかしたら、ものすごい発明じゃないか??って要素が、もう何箇所もあるんですよ!!!、このアルバム。特に後ろの4曲、マジで凄い。

 でも、どうしもて痛々しさが心から離れることができない。なんか聞いていても、幸せになれないんだよな・・・。ものすごい発明って要素も、十分に開花させてやれていないように思う。とにかく詰め込んで、どうだ!って肩肘を張っているという印象が、拭えない感じがします。Cutie Paiの音楽を作っている、まゆちゃんって方は(私はあまり情報チェックしてないので、どんな方なのかは、曲とビジュアルでしか知らないのが残念なんですが)、本当にこの音楽を作っていて幸せなのかな?っていう疑問を、どうしても思ってしまいます。“痛み”の成分が、俄然多いというアルバムです。

 東京アンダーグラウンドアイドルシーンに、とんでもないポテンシャルを持ったユニットが、まだ眠りの状態である。金字塔とまでは、まだ早いが、その土台が存分に見え始めたアルバム。

「+1」木村カエラ

+1 (DVD付)

+1 (DVD付)

 カエラ4作目のアルバムでした。結論として、かなり良作のアルバムになったと思います。TOP20に入れてやれなくて、非常に残念な思いがしています。

 木村カエラのこれまでの4枚のアルバムはどれも優秀なアルバムばかりです。明確にはしていないんだけど、はっきりとした動かない意志が常に置かれていますね。それで毎回センスのよい遊びもたっぷりあって、毎度楽しませてくれます。それがアルバムごとに磨かれている、成長の部分がとっても見える人です。いや〜、えらいよカエラ。本当にえらいと思います。

 4枚目のアルバム「+1(プラスワン)」は、「日常を劇的に変えることは不可能かもしれないけれど、なにか一つ生活の足しになるような存在になればいいな」という意思がこめられたアルバムです。意識はあまり高くないかもしれませんが、常に前を向いて歩き続ける、そしてそれしかない、という意識が、ものすごく共感します。

 このアルバムでカエラは、ボーリストとして成長を見せてくれたと思っています。声の伸びや、表現力がまた上がったんでわないかと思います。サウンドも、面白いものを作れる、的確な人選と曲で、今回もマジックを起こせています。全く問題ない、不安要素なしのアルバムでした。

 さあ、次の作品は、どんな感じなるでしょうか。楽しみです。